たくき よしみつ の たくき よしみつ(鐸木能光)のデジカメ・ガバサク談義 ガバサク

オリンパスXZ-10は初期設定が肝


↑XZ-10で撮影 
1/1000秒、F5.6、USO 100、露出補正-2/3、23.50 mm(130 mm相当=望遠端)
望遠端で撮ってもここまで寄れるので、マクロ撮影が楽しいXZ-10

オリンパスの傑作コンパクト機 XZ-10の魅力をしっかり引き出すための初期設定講座

オリンパスのXZ-10をStylus1と並んで「オリンパス最後の傑作」かもしれないということで推薦しているわけですが、XZ-10をすでに所有しているかたから、「腕が悪くて、たくきさんほどのきれいなマクロ撮影ができません」と言われました。別のかたは、液晶モニターがタッチパネルになっていることに気づかず、モニターの左下を指で触れてしまっていて「シャッターが切れない」「ピントが合わない」「早くも壊れてしまった」と勘違いしていました。

カメラは初期設定のまま(買ったままの状態)で使ってはいけません。必ず、買ったらすぐにMENU画面から、初期設定を変更する必要があります。
しかし、XZ-10はMENU画面がとにかく分かりづらいのですね。初期設定をしっかりやって、それを「カスタムモード」に登録しておき、常時、モードダイヤルを「C」(カスタム)にして撮るのが肝なのですが、なかなかそこまでやらない人が多いようです。

そこで、XZ-10のMENUをどう設定するかを解説します。XZ-10だけでなく、基本的にはどんなカメラにもこの設定は応用できます。
モードダイヤルをPに合わせてから、MENU画面を出して(背面いちばん下左側のボタン)、以下の設定をしてください。

MENUを出します。↑
MENUの項目選択や、さらにその下の階層に入るときは、背面のジョグダイヤルの左右上下で選択し、真ん中のOKボタンで決定します。

0 タッチパネルをOFFに

これはXZ-10特有の問題ですが、小さなカメラなのに背面液晶モニターをタッチパネルにして、タッチするとフォーカスやシャッターが切れるようになっています。これは一見便利なようですが誤作動が多く、無駄な写真がいっぱい撮れていたり、左下のアイコンに触れたままだとAFもシャッターも機能しなくなるため、「なかったもの」としてOFFにしてしまいましょう。このために「カメラが壊れた」「撮った覚えのない写真がいっぱい撮れている」といった誤解をするユーザーがたくさんいますので……。

カスタムメニュー⇒その他(2ページ目にあります)⇒タッチパネル設定⇒Off

1 音を消す

レンズシャッター式カメラ(レンズ一体型はほとんどそれ)は本来シャッター音がしません(ほとんどしません)。パシャという音がするのは、わざわざ電子音でそれらしい音を再生しているのです。馬鹿げていますし、静かな場所では迷惑なので、音は消しましょう。
XZ-10の場合、音はギアアイコン(カスタムメニュー)の設定に入っています。そこで「電子音」を選び、音量をゼロにします。↓

カスタムメニュー⇒接続/音⇒電子音  で音量をゼロに

2 画質の設定

記録する画像の品質を設定します。カメラの性能を最大に発揮するために最高品質を選びますが、RAWは画像ソフトによる後処理が必要な生データで記録するため、面倒ですし、記録するファイルサイズが大きくなり、撮影可能枚数がぐっと減ります。そもそも、XZ-10のようなコンパクト機でRAW撮影をしたから画質がどうのこうのというレベルではないでしょう。そこまで気にするなら大きな撮像素子を持つ高級機を使わなければ意味がありません。
というわけで、JPEG形式の最高画質を選んでください。

撮影メニュー1⇒画質モード⇒静止画⇒LSF(ラージサイズのスーパーファイン)

動画の画質もここで設定します。XZ-10の動画画質はそれほどよくないので、私はFullHDにはしていません。HDにしています。

3 画質・色調の設定

ほとんどのカメラは、ユーザーの好みの色調に近くなるよう、いくつかの色プロファイルを持っています。
オリンパスの場合、カメラアイコン1の中の「ピクチャーモード」という項目がそれです。
Vivid   Natural   Flat   Portrait ……などが並んでいますが、ここで好みの色味設定を選びます。
私の場合、Vividだとちょっときつい(不自然)なので、Naturalを選び、さらにコントラストと彩度を+1に上げています。

撮影メニュー1⇒ピクチャーモード

4 オートフォーカスの方法

次にAF(オートフォーカス)の設定です。これは極めて重要です。
AFはなぜかカメラアイコン(撮影メニュー)ではなく、ギアアイコン(カスタムメニュー)に入っています。(このへんがXZ-10の分かりづらいところ)。
AF方式はS-AF(シングルオートフォーカス)とスーパーマクロ(チューリップアイコン)の2つしか選べません。ここは当然S-AFを選びます。マクロ撮影をするときは、Fnボタンを押してこのメニューを呼び出して切り替えます。
次に、「AFターゲット選択」を選びます。ここはマルチターゲットではなく「一点」を選択し、さらにはその1点を中央にしておきます。これで常にピント合わせは画面の中央で合わせることになります。
構図を変えたいときは、中央でピント合わせをしてからシャッターを半押ししてピントを保持したまま構図を変えます。
写すたびにどこにピント合わせをするか、AF点がたくさん出てくると思い通りに構図が組めません。
また、その下の「AFイルミネータ」は、ピントが合いにくいときに補助光(赤外線)を照射するかどうかの設定です。普通はOnでいいですが、暗い室内で人物をひっそり撮りたいときなどは赤外線が相手に当たって迷惑になりますので(スナイパーに狙撃される犯人みたいなことになる)、常に注意してON/OFFを切り替える習慣をつけておきましょう。

カスタムメニュー⇒AF……


AFターゲット選択⇒中央一点にAF

5 測光モード設定

露出を決めるとき、画面全体を計算する(マルチ測光)か、中央重点で計算する(中央重点測光)かという設定です。
マルチ測光にしておきます。
「高感度ノイズ低減」は、ISO値を高くして撮影した写真画像にどうしても出てしまうノイズをカメラが後処理で目立たなくボケさせるというもの。高感度で撮った画像の画質はもともと期待できないので、私は最初からここは「強」にしています。

カスタム設定⇒露出/測光/ISO⇒測光⇒

6 ISOモード設定

ISOとは、フィルムの感度に該当するものです。この感度を上げる(数値を大きくする)と暗いところでも高速シャッターが切れますが画質は荒れます。画質重視ならISO値を低くしなければなりませんが、そうすると暗いところでは低速シャッターになるので手ぶれします。AUTOにしておくとカメラが判断してその都度自動的にISO値を設定しますが、このとき、最大値をどこまで許すかを設定できます。XZ-10はISO6400まで設定できますが、撮像素子が小さいので、ISO6400などにすると画質はひどいものになります。手ぶれより画質を選びたいという場合はISO AUTOにしたときも、1600以上にはしない、3200以上にはしない、などと設定します。私は一応上限を1600にしています。FnボタンでISO設定を呼び出して、さらに高い数値でも撮っておくことはできます。

カスタム設定、露出/測光/ISO⇒ISO感度⇒オート にした後に、その下の「ISOオート設定」で上限を800、1600、3200などに設定。基準値(標準のISO値)は100に。

7 ホワイトバランスの設定

本来、物体の色は光源(太陽光か白熱球か蛍光灯か……などなど)によって色が変わります。白熱球の下では黄色っぽくなりますし、薄暗い場所では白いものでも青みがかったグレーに見えます。しかし、人間の脳はそれを補正しながら見るので、実際に見えている色とは違う色に見えるのです。カメラはそこまでは判断できないので、不自然に見えない程度にホワイトバランス(白が白に見えるように調整すること)を設定しなければいけないのですが、通常はカメラが自動的に判断してそれをやってくれます。これが「オートホワイトバランス」です。
しかし、オートホワイトバランスでも自然な色味にならないことは多々ありますし、実際の色に近くても自分の好きな色味ではない、ということもあります。
そうしたカメラの「癖」(赤味が強すぎる、晴天時は青っぽくなりやすいなどなど)を見抜いて、あらかじめオートホワイトバランスの調整をしておくことができます。私はここはいじっていませんが、好みでどうぞ。

カスタムメニュー⇒画質/WB⇒WBモード で「オート」にした後にさらにサブメニューを出し、A(アンバー=赤味)とG(グリーン)の度合を微調整

8 オートブラケット撮影

露出を自動的に3段階に変えて連写する機能を「オートブラケット」といいます。カメラによっては露出だけでなく、ISO値や画質モードなどを変えて連写する機能を持つものもありますが、XZ-10は標準的な露出の多段階連写のみです。
私はこれを常時使っています。つまり、シャッターを1回押すと露出を3段階(標準、暗め、明るめ)に変えて3連写するわけです。
カメラによっては1回のシャッターで内部処理によって3段階に露出を変えるものもありますが、XZ-10の場合は実際にシャッターを3回切っていますので、例えば1回目のシャッターで手ぶれしても2回目3回目ではぶれていないということがあり、連写するということだけでも「保険」になります。
今はメモリーカードも大容量なので、一度に数千枚撮っても大丈夫。ショット数をケチって後で失敗写真に泣くより、ガバガバ撮って後からいいショットだけを選べばいいのです。ガバサク流では最初からそのことを提言しています(ガバガバ撮ってサクッと直す)。
露出をどの程度変えるかを選べますが、0.3ずつずらすのがいいでしょう。

撮影メニュー2⇒ブラケット撮影⇒3f 0.3EV

9 動画撮影の設定

動画撮影で「音が入ってない!」というときは、この設定を確認してください。「ムービー録音」はOnに。風切り音低減はOnにしておかないと、ちょっとした風で物凄いノイズが入ります。


カスタム設定⇒動画

10 ダイヤルとボタンの設定

これもXZ-10特有の設定です。
レンズ周りのダイヤルと背面のダイヤル、Fn(ファンクション)ボタンで何を呼び出せるかの設定。
ボタン機能では、「手ぶれ補正」などは常時ONでいいので省略。ピクチャーモードやシーンモードもFnボタンではなくモードダイヤルで選べるので、省略しておいたほうが他のメニューを呼び出すときにFnボタンを押す回数が減ります。フラッシュや連写・セルフタイマー設定は背面のダイヤルに最初から割り付けられているので、これらもFnボタンから呼び出す必要がないので消しておいたほうが効率が上がります。逆に、変更する可能性があるメニュー(AFモードやISO、WBなど)は残しておきます。
ここにAFイルミネータのON/OFFが入っていないのはつくづく残念です。結構切り替える必要があるのに……。

ダイヤルはレンズ回りのダイヤルと背面のダイヤルの2つがありますが、これにどんな役割を持たせるかを選べます。
露出補正と、Ps(絞りとシャッター速度の組み合わせ)を割り付けるわけですが、どっちのダイヤルでどっちを設定するのが自然か……。
私はレンズ周りのダイヤルをPsに、背面の小さなダイヤルを露出補正に割り当てていますが、露出補正のほうが多くいじると思えばその逆にしてもいいでしょう(レンズ周りのダイヤルのほうが使いやすいので)。
XZ-10のような撮像素子が小さなカメラでは、絞りを開いても背景が顕著にぼけるわけではないので、露出補正をいじるほうが多いかもしれません。
いずれにせよ、これを理解しないまま撮っている人が多いと思いますが、もったいないことです。

カスタム設定⇒ボタン/ダイヤル⇒ボタン設定 ダイヤル機能

11 液晶モニターの調整

液晶モニターの輝度、明るさ調整です。これをいじっても、晴天下ではやっぱり見えにくいのであんまり意味がないかもしれませんが、一応、ここで調整できるよ……ということで……。

セットアップメニュー⇒モニタ調整

12 カスタムモードに登録

その他、もろもろありますが、これでかなりカスタマイズできます。
設定したら、撮影メニュー1⇒リセット/カスタムモード登録⇒カスタムモード⇒登録 で設定内容を登録してください。この設定内容が「カスタムモード」(モードダイヤルの「C」)に登録されますので、カメラ正面のモードダイヤルをCに合わせておけば常にこの内容での撮影ができます。
私は基本的にはCモードでしか撮影していません。
電源を切っても内容は保存されたままですので、次に電源を入れても、-0.3露出補正、オートブラケット、中央1点AFなど、重要な設定は常にこの内容で撮影開始できます。
後は、被写体や撮影状況に合わせてFnボタンを押してISO感度を変えたり(逆光時には露出をプラス補正、白い花を撮るときは白飛びしないように露出を落とす、逆光のときに日中でもフラッシュを強制発光させるなど……)ということをします。
XZ-10の場合、白熱球光源では極端に赤く写るので、WBを電球に変更するのと、花や昆虫などを接写するときにスーパーマクロにAFを切り替えての接写などが特に多いです。


XZ-10を例に初期設定例を示しましたが、他のカメラでも基本的にはここで説明した項目があるはずですので、必ず初期設定はしましょう。そして「フルオート」だけで撮るというズボラをしない、というのが、よい写真を撮るための第一歩です。
もっとも、フルオートはよくできてはいますので、これは! と思う状況では、カスタムモードで撮った後にフルオートでも撮っておき、後で出来映えを比較してみるのもいいでしょう。


XZ-10はマニュアルフォーカスができないなど、コンパクト機の中ではかなり初心者向けに作られていますが、それでも設定すべき項目はこれだけあります。露出やWBなどを考えながら撮るだけでも、結構頭を使わなければいけません。それが写真を撮ることの楽しさでもあります。
コンパクト機では大した写真は撮れないと思っているかたは、一度、こうした設定を徹底的に煮詰め、いろいろ試行錯誤しながら何枚も撮ってみてください。コンパクト機でも、いや、コンパクト機だからこそ、いい写真を撮るにはそれなりの基礎知識を持たなければならないことが分かると思います。

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