たくき よしみつ の 鐸木能光のデジカメ・ガバサク談義 デジタルストレス王

デジタル一眼専用レンズカタログ

メーカー純正レンズキットを見捨てる

デジタル一眼レフはレンズがあってなんぼのものです。
しかし、メーカー純正で明るいレンズというのは非常に高価です。セット販売されているズームレンズはF3.5-5.6といった暗いレンズですから、「とりあえず使える」程度に考えたほうがいいでしょう。
ただし、最近はボディ単体とレンズキットの価格差が数百円しかないという例もあり、そういう場合は、当然、レンズキットで買ったほうが得です。
また、SONYのAPS-Cデジタル一眼レフ専用単焦点レンズSAL50-F14のように、安くて使える純正レンズもあります。
しかし、一般に明るいレンズを求めるなら、純正レンズではなく、レンズメーカーであるタムロンやシグマなどのものを選んだほうが得な場合が多いでしょう。
次のような魅力的なレンズが出ています。どれも35mmフィルムカメラ用ではなく、最初から撮像素子が小さなデジタル一眼専用のものです。すでに他のページで紹介済みのものも含めて、ここにまとめておきます。
流通状況や価格を知るために、商品名見出しおよび左側の画像にアマゾンコムでの商品紹介ページへのリンクをつけました。アマゾンで最新情報をご確認ください。

シグマ 17-70mm F2.8-4 DC MACRO OS HSM

レンズ先端から約4.7cmまで被写体に寄れる接写性能を持ち、マクロレンズとしても十分に高性能。手ぶれ補正機構、AF用モーター内蔵で、素早く静かなピント合わせが可能。レンズキットについてくる標準ズームとは明らかに違う高性能標準ズームレンズ。

シグマ 18-50mm F2.8 EX DC MACRO/HSM

全域でF2.8の明るさ。最短撮影距離28cm。φ74.1mm x 84.1mm。重量445g。手軽に選べる標準ズーム。全社マウント用あり。

シグマ 30mm F1.4 EX DC/HSM

単焦点標準レンズ。F1.4の明るさを持つデジタル一眼専用レンズは稀少(というか、現時点ではおそらく唯一の存在)。全社マウント用あり。HSM搭載モデルは、ボディにAF用モーターを内蔵していないNikon D40などでもAFが可能。φ76.6mm x 59mm。430g。

TAMRON SP AF 17-50mm F2.8 Di II LD Aspherical [IF] デジタル専用 ペンタックス用 A16P

TAMRON SP AF 17-50mm F2.8 Di II LD Aspherical [IF] デジタル専用 αシステム用 A16S

TAMRON SP AF 17-50mm F2.8 Di II LD Aspherical [IF] デジタル専用 AFモーター内蔵ニコン用 A16NII

TAMRON SP AF 17-50mm F2.8 Di II LD Aspherical [IF] デジタル専用 キャノン用 A16E

TAMRON SP AF 17-50mm F2.8 XR Di II VC B005NII ニコン用(手ぶれ補正機能内蔵)

タムロンでも全域F2.8のデジタル一眼専用ズームレンズを出している。最短撮影距離28cm。φ73.8mm×83.2mm。445g。全社マウント用あり。AFモーター内蔵、手ぶれ補整機能内蔵など、いくつかのタイプがあるので、選択時には注意が必要。

TAMRON AF18-250mm F/3.5-6.3 Di II LD Aspherical [IF] Macro デジタル専用 ソニー用 A18S

TAMRON AF18-250mm F/3.5-6.3 Di II LD Aspherical [IF] Macro デジタル専用 AFモーター内蔵ニコン用 A18NII
(AFモーター内蔵 D40などにはこれを選択)

TAMRON AF18-250mm F/3.5-6.3 Di II LD Aspherical [IF] Macro デジタル専用 ニコン用 A18N
(AFモーターなし D40などには不可)

TAMRON AF18-250mm F/3.5-6.3 Di II LD Aspherical [IF] Macro デジタル専用 ペンタックス用 A18P

TAMRON AF18-250mm F/3.5-6.3 Di II LD Aspherical [IF] Macro デジタル専用 キャノン用 A18E

ガバサク流お勧めの「ズボラレンズ」。タムロンが作ったこのズボラレンズは、最初は18-200mm、次に18-250mm、そして今は18-270mmというのも出ている。
F3.5-6.3と、明るくはないが、430g、長さ84.3mmというコンパクトさ。しかもマクロも簡単でそこそこいける。私のα300は、ほとんどこのレンズがつけっぱなし状態になっている。デジタル一眼のセットレンズなどでは味わえない超望遠やマクロの世界が簡単に楽しめる。レンズは決して明るくはないし、超望遠なので、レンズに手ぶれ補正機構がついていない場合は、カメラボディ側に手ぶれ補正機構は必須。
ニコンのAFモーターを内蔵していない安価ボディ(D40やD3000など)用に、AFモーター付きのモデルも出ている。
使用報告は→こちら

TAMRON AF18-270mm F/3.5-6.3 DiIIVC LD Aspherical [IF] ニコン用 AFモーター内蔵 MACRO B003NII

超望遠ズームは、ニコン、キヤノンなど、ボディ側に手ぶれ補正機構が内蔵されていないカメラで使うのは厳しかったが、手ぶれ補正機構内蔵(タムロンの型番では「VC」とついているものがそれ)の新型が出た。しかもニコン用はAFモーター内蔵なのでD40やD3000でも使用可能。
このレンズは今のところ、ニコン用、キヤノン用しか出ておらず、ソニーやペンタックスマウントの場合は18-250mmで止まっている。
高価だが、ニコン、キヤノンユーザーはぜひ使ってみたいレンズ。

シグマ 28mm F1.8 EX DG ASPHERICAL MACRO

本来フルサイズ(35mmフィルム用)レンズだが、デジタル一眼レフで使ったときにもそれなりの性能が発揮できるように改良されたモデル。
F1.8の明るさで最短撮影距離は20cm、最大撮影倍率1:2.9。デジタル一眼レフで使うと画角は約42mm相当の標準レンズ的な描写になる。
広角レンズだが、F1.8という明るさのため、背景のぼけもそこそこ得られるし、近接20cmまで寄れることでマクロ的な作画も可能。DF(デュアルフォーカス)システムを採用し、AF時にフォーカスリングが回転しないのでホールド性もよい。単焦点レンズならではのキレのよさをリーズナブルなコストで実現できる。モデルと距離をあまりとれない、狭い室内でのポートレート撮影などにも向いている。


どれも非常に魅力的な仕様で、メーカー純正レンズ、特にセット販売されているズームレンズなどより実用的だと思われます。
メーカー純正レンズ以外は使いたくないというかたもいらっしゃるかもしれません。しかし、「純正」とはなんでしょうか?
一般にはあまり知られていませんが、現在、レンズをすべて自社生産しているカメラメーカーはありません。レンズ一体型デジカメの世界では、タムロンなどのレンズメーカーで生産したまったく同じレンズユニットが、あるメーカーのデジカメに組み込まれるとカールツァイスに、別のメーカーのデジカメに組み込まれるとライカになったりします。
一流の国内カメラメーカーの純正レンズも、実際には多くのモデルがレンズ専用メーカーでOEM生産されています。例えば、私があちこちでお勧めしているタムロンの18-250mm(通称ズボラレンズ)は、SONYの純正レンズとしても同じものが出ています(デザインが若干違うだけのOEM)。同じ性能ですが、販売価格は1万円くらい違います。
レンズのブランド名にこだわるのは馬鹿げたことです。実際に使ってみて、自分で性能を判断するしかありません。



比較のために、カメラメーカー純正の、F2.8以上の明るさを持つAPS-Cサイズデジタル一眼専用レンズのスペックも出しておきます。シグマやタムロンに比べて価格は2倍〜3倍以上します。

Canon EF-S レンズ 17-55mm F2.8 IS USM

手ぶれ補正機構を内蔵した明るいズームレンズ。巨大で重い。φ83.5×長さ110.6mm、645gという超弩級レンズ。 定価が15万超もするため、実売価格も10万円前後と、相当な高額。

Nikon AF-S DX Zoom Nikkor ED 17-55mm F2.8G (IF) ニコンDXフォーマット専用

ニッコールブランドで全域F2.8のズームレンズを入手しようと思うと、とんでもない金額になる。Canonの645gを上回る重さも半端じゃない。最短撮影距離0.36m(焦点距離35mm時)、φ85.5×長さ110.5mm、755g。

詳しい仕様はメーカーのサイトで確認してください。
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