画素数より撮像素子の面積がものをいう!
小さな撮像素子に1000万画素を詰め込む愚行
最近では、1/1.8型CCD(6.9×5.2mm)に1010万画素を詰め込むなどという無謀なデジカメが登場していますが、私は絶対に買おうと思いません。
私が持っているデジカメで最も高解像度な機種はコニカミノルタA200で、2/3型CCD(8.8×6.6mm)に800万画素を詰め込んでいます。
その後に購入したPentaxのK100Dは、APS-CサイズCCD(23.5×15.7mm)に630万画素で抑えています。
撮像素子面積は6倍あるのに、画素数はむしろ少なく抑えているわけです。
この2台を使って実際に撮った写真を比較してみましょう。同じ時刻に同じ場所で同じものを撮影しています。
↑A200(800万画素 3264×2448)
↑K100D(630万画素 3008×2000)
どうでしょうか。明らかにK100Dのほうが、明暗、色調ともにダイナミックレンジが広いことが分かります。
上の写真はリサイズしていますが、補正はしていません。一部を、原寸で切り抜いてみました。
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A200 元画像3264×2448
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K100D+シグマ18-50mm 元画像3008×2000 |
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A200 元画像3264×2448
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K100D 元画像3008×2000
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A200 元画像3264×2448
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K100D 元画像3008×2000
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解像度はA200のほうが高いので、同じ部分を切り取って原寸表示すると、K100Dの画像よりひとまわり大きくなります。しかし、明暗・色調のコントラストは明らかにK100Dのほうが勝っています。特に、日が当たっている部分と影の部分の差が、A200はしっかり再現できていません。
これはひとえに、A200のほうが撮像素子が小さく、1画素あたりの面積が小さくなっているためです。画素が小さいので、明暗の差を表現できるだけのダイナミックレンジが取れていないわけです。
明暗・色調のレンジを狭くしても画素数を増やしたほうがいいという考えかたはまったく成立しないことが理解できると思います。
メーカーの技術者もそんなことは当然知っていますが、画素数を多くしたほうが「売れる」ので、こんな馬鹿なことをしているのです。
こうした商法は非難されてしかるべきだと思いますが、それを支えているユーザーにも責任の一端はあるでしょう。
ユーザーが賢くなれば、今のような歪んだ画素数競争は、即、なくなるはずです。
最後に、しつこいようですが、上記のことを表組でおさらいしておきます。
撮像素子種類 | 解像度 | 解像度と撮像素子面積を比較 | 搭載機種例 | 解説 |
1/1.8型CCD (6.9×5.2mm) | 1010万画素 (3648×2736) | | CASIO EX-Z1000など | 3648×2736を計算すると、有効画素は998万くらい? 36平方ミリの中に1000万画素。1画素あたり0.0000036平方ミリということになる。 |
2/3型CCD (8.8×6.6mm) | 800万画素 (3264×2448) | | DiMAGE A200など | 一般にはレンズ一体型デジカメでは最も大きなサイズのCCD。58平方ミリの中に799万画素だから、0.00000725平方ミリ。1/1.8型CCDに1000万画素の約倍の面積。 |
APS-C型CCD (23.5×15.7mm) | 630万画素 (3008×2000) | | Pentax K100D | K100Dはあえて画素数を抑えて設計したのだろう。369平方ミリの中に601万6000画素。1画素あたり0.0000613平方ミリ。高画素のコンパクトデジカメに比べると一桁違う。圧勝するのは当然。 |
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