たくき よしみつ の 鐸木能光のデジカメ・ガバサク談義 ガバサク談義

キャノンが「ガバサクモデル」?を発表

パワーショットG11の「正気路線」を熱烈歓迎する!

パワーショット G11    PowerShot S90
コンパクト機では当面LX3を買い換える必要はないだろうと書いたばかりですが、なんと、あのキヤノンが、パワーショットシリーズの最上位機種として、フリーアングル液晶モニターを復活させ、撮像素子の画素数を1000万画素に「落とした」G11(写真上左)、および、同じCCDにF2.0-4.9という明るいレンズを組み合わせたS90(写真上右)を10月に発売すると発表しました。
キャノンのサイトはこちら
拍手喝采です。無意味な高画素競争の先頭を走っていたキャノンが、ようやく真面目な決断を下しました。
// 1画素あたりの集光面積が拡張した高感度センサーがノイズ発生を抑制し、(中略)最大で約2段分*のノイズ低減効果を実現し、同じ感度で撮影した場合、従来比約1/4*のノイズ量に抑えることが可能。ハイライトからシャドウまでなめらかな階調で描写して、より解像感豊かな画質を生み出します(キャノンのサイトより) //
……だそうです。
ようやく認めてくれましたね。無理に画素数を増やしても弊害のほうが大きいのだというあたりまえのことを。
600万画素くらいまで落としてくれてもいいと思いますが、とにかくG10の1/1.7 型総画素数約1500万画素から大幅に画素数を落とした決断を歓迎しましょう。

1/1.7型CCD・総画素数約1,040万画素というCCDは、LX3の1/1.63型CCD 総画素数1130万画素とほぼ同等と考えていいのでしょう。記録静止画の最大画素数は共に3648×2736画素で同じです。
レンズは6.1-30.5mm(28-140) F2.8-4.5 で、LX3の5.1〜12.8mm(24〜60mm) F2.0-2.8に比べると、明るさで負けていますが、望遠端が140mm相当まで使えるのはそれなりに便利そうです。
あとはなによりフリーアングル液晶モニターの復活! これにつきますね。
G10はコンパクト機と中級機の間くらいの大きさに位置する高級機として、またS90は明るいレンズの高級コンパクト機として、ともにLX3の強力なライバルになるでしょう。

LX3 S90 G11 HX1 ライバル比較表

気になるポイントの比較表を作ってみました。
  LX3
Panasonic DMC-LX3
PowerShot S90

Canon PowerShot S90
G11
Canon PowerShot G11
SONY HX1
SONY DSC-HX1
撮像素子 1/1.63型CCD 総画素数1130万画素
(有効画素数1010万画素)
1/1.7型CCD 総画素数約1,040万画素 1/1.7型CCD 総画素数約1,040万画素 1/2.4型CMOS 総画素数1030万画素
(有効画素数910万画素)
静止画最大解像度 3648×2736画素(998万0928画素) 3648×2736画素(998万0928画素) 3648×2736画素(998万0928画素) 3456×2592画素(895万7952画素)
レンズ性能 f=5.1〜12.8mm(24〜60mm相当) F2.0-2.8 f=6.0〜22.5mm(28〜105mm相当) F2.0-4.9 f=6.1〜30.5mm(28〜140mm相当) F2.8-4.5 f=5.0〜100.0mm(28〜560mm相当) F2.8-5.2
マクロ時最短距離 1cm(W)/30cm(T)〜∞ 5cm(W)/30cm(T)〜∞
1cm(W)/30cm(T)〜50cm
(マニュアルフォーカス時は〜∞)
1cm(W)/150cm(T)〜∞
モニター解像度 3.0型(46.0万ドット)視野率:100% 3.0型(約46.1万ドット)視野率:100% 2.8型(約46.1万ドット)視野率:100% 3.0型(約23万ドット)
バリアングルモニター × × ◎(上下左右) ○(上下にのみ90度)
シャッター速度 60〜1/2000秒 1〜1/1600秒(オートモード時)
15〜1/1600秒(すべての撮影モードを合わせて)
1〜1/4000秒(オートモード時)
15〜1/4000秒(すべての撮影モードを合わせて)
1〜1/4000秒(プログラムオートモード時)
30〜1/4000秒(すべての撮影モードを合わせて)
連写速度 △(2.5コマ/秒)※高画質では4コマで止まる ×(0.9コマ/秒)※オート時 ×(1.1コマ/秒)※オート時 ○(10コマ/秒)
最高動画画質 ○(1280×720=16:9、24コマ/秒) △(640×480=3:2、30コマ/秒) △(640×480=3:2、30コマ/秒) ◎(1,440×1,080=4:3、30コマ/秒)
1280×720(16:9)も可
大きさ 108.7×59.5×27.1mm 約229g(本体) 100.0×58.4×30.9mm 約175g(本体) 112.1×76.2×48.3mm 約355g(本体) 114.5×82.8×91.8mm 約453g(本体)

どれも優れもの 撮影スタイルに合わせて選べ

おおざっぱに言えば、LX3とS90はコンパクト機の高級版で、G11は広域ズームの使える中級機のハイグレード・小型版という感じです。メモ代わりに持ち歩くにはG11は少し大きすぎるけれど、バリアングルモニターがあるし、様々な条件下で自由・大胆な撮影を楽しむにはG11のほうが有利、ということになるでしょう。
オリンパスのマイクロフォーサーズ機を買うよりはG11のほうが使い勝手はずっとよさそうな気がします。
いずれにせよ、レンズ一体型機にようやく「メーカーの良心」が復活する兆しが見えてきて、嬉しい限りです。
LX3/S90は完全にライバル関係。G11はバリアングルモニター搭載というポイントが大きいが、G11とS90は連写速度も今イチ……といったあたりが違いでしょうか。
しっかり狙って、様々な画角で撮っておくにはG11、とにかく気軽に撮っておくにはLX3、コンパクトながら高画質が得られるS90という感じかもしれません。
もう少し大きくてもいいから、やはり超望遠撮影を楽しみたいというかたには、SONYのHX-1という選択もあります。高速連写のできるCMOS撮像素子や560mm相当の超望遠撮影など、画質にこだわるよりも撮影の楽しさを選ぶならHX1がいちばん面白いでしょう。
重さは、
S90<(+54g)<LX3<(+126g)<G11<(+98g)<HX1 ……の順に重くなります。
いちばん軽いS90といちばん重いHX1の重量差は278gあり、大きさの点では明らかに違うジャンルのカメラと言えそうです。
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