たくき よしみつ の 鐸木能光のデジカメ・ガバサク談義 ガバサク談義

『デジカメに1000万画素はいらない』(講談社講談社現代新書)の追記事項

『デジカメに1000万画素はいらない』(講談社講談社現代新書)は、2008年10月17日から店頭に並び始め、その日の夕方には重版(8000部)、1週間後に3刷り(8000部)、11月5日時点で4刷り(10000部)が決定。その後も増刷があり、最終的には4万7000部のヒットとなりました。
新書の世界では「2万部の壁」というのがあり、これを超えることはなかなか難しいのですが、発売後1週間であっさりクリアしました。御礼申し上げます。
このページでは、この本の訂正一覧や追記したい情報などを記述しています。

訂正・追補

●69ページ下の写真のキャプション

誤 PENTAX K100D+TAMRON 18-250mm
     ↓
正 OLYMPUS E-510+ZUIKO 14-54mm

//カメラの機種名が違っていました。タムロンの18-250mmは、F3.5-6.3のはずなのに、この写真のF値が2.8となっているのでおかしいなと気づきました。
重版時に訂正済み。

●51ページの本文 最後の3行を削除

△ これらのレンズは、レンズ自体には手ぶれ補正機構がついていませんので、ペンタックスやソニーのデジタル一眼と組み合わせるのがよいでしょう。

//今年になって、タムロンから、18-270mm F3.5-6.3 手ぶれ補正機構内蔵のレンズが出ました。これはボディ側に手ぶれ補正機構を内蔵していないニコンやキヤノンのデジタル一眼向けに開発したものです。
ニコンやキヤノンのデジタル一眼ユーザーのかたはこのレンズをお勧めします。
また、シグマの30mm単焦点 F1.4レンズは、ニコンマウント用のものにレンズ内にAFモーターを組み込んだものが出ています。D40など、ボディ側にAFモーターが内蔵されていないデジタル一眼ユーザー向けです。
3刷り時に訂正・追補済み

追補的Q&A

本書に書ききれなかったことで、読者からの予想質問に答える形で追補します。

Q:1000万画素デジカメの設定で画素数を落として撮れば問題は解決するのか?

どんなデジカメにも、画素数を落として撮影する設定があります。しかし、1000万画素の撮像素子を持つデジカメで500万画素に落として撮影しても、1画素あたりの面積が変わるわけではありません。元の記録映像は同じで、それをメモリに記録する段階で解像度を落としているだけなので、「記録」画素数を落とすことで画質の向上が望めるわけではありません。
1000万画素で撮った写真と、同じデジカメで500万画素に落として撮った写真を、画像ソフトでさらに解像度を落としてWEB用に加工した場合、最終的な画質はほぼ同じです。
あくまでも、小さな撮像素子を設計する段階で無理な高画素を詰め込んでしてしまったら、そこで画質(の粗悪さ)が決まってしまうのです。

Q:画素数を落とした設定のほうが記録時間は短くなるのか?

59ページの最後に、
「画素数を下げることで色階調が上がるわけではありませんが、少なくとも撮影可能枚数は増えますし、画像記録に要する時間も短くて済むようです。」
と書きました。
「画素数を下げることで色階調が上がるわけではありません」については、上記のQ&Aで説明したとおりです。
画像記録時間に関しては、概ね短くなることが多いようです。私の経験ではそうでした。
画素数を落とすというのは、カメラの中でリサンプリング(解像度変更)処理をしているはずで、その処理時間が若干かかるはずです。しかし、メモリーへの書き込みは、当然、ファイルサイズが小さいほうが短時間で終了します。その足し引きで、トータル時間がどうなるか、という問題でしょう。使っているメモリカードの処理速度などとも関係してきます。

Q:古い(画素数の少ない)デジカメのほうがきれいな写真を撮れると言っているのか?

いいえ。そんなことはありません。
本文中でC2000やC2040のことをかなり持ち上げて紹介しましたが、これは当時の技術レベルとしてはすばらしかったということであり、現在の技術レベルで作ったデジカメと比較するのは可哀想というものです。
映像エンジンの設計に雲泥の差がある他、CCDの性能そのものも(画素数は別として)今の技術のほうがはるかに進歩しているからです。
ただし、C2000と同じレンズを持ち、現在のレベルで中身を入れ替え、C2000と同じ1/2型撮像素子で200万画素というデジカメを作ったとしたら、すばらしくきれいな写真が撮れるカメラになるでしょう。
私が「画素数は少ないほうがいい」と言っているのは、あくまでも現在の技術レベルで比較しての話です。しかし、現在の技術レベルで作った500万画素以下クラスの撮像素子というものが存在しないため、現実には比較しようがないのです。

Q:デジタル一眼でも1000万画素はいらないと言えるのか?

デジタル一眼はプロカメラマンが仕事にも使うカメラですので、解像度もそこそこ高いほうがいいと思います。
実感としては、APS-Cサイズなら1000万画素あれば十分でしょう。それ以上にしても、メリットとデメリットを比較すれば、デメリットのほうが大きくなると思います。
フルサイズ撮像素子であれば、ニコンが提唱しているように1200万画素くらいがいいのではと思います。
ちなみに、フルサイズの1200万画素は、画素ピッチを同じにしてAPS-Cサイズに切り取ったとすると、約500万画素強です。
ニコンが言うように、「フルサイズでも1200万画素くらいがちょうどいい」のだとすれば、その半分以下の面積しかないAPS-Cサイズ撮像素子に1200万画素以上詰め込むのはおかしいということになります。
現在、APS-Cサイズのデジタル一眼で1000万画素以下の撮像素子を持つものは作られていません。D40でも600万画素ですから、ニコンのD700は画素ピッチでは現行デジタル一眼製品中最大ということになります。
フォーサーズは、その線で行けば600万画素くらいがいいのではないかと思います。
『デジカメに1000万画素はいらない』(講談社講談社現代新書) 『デジカメに1000万画素はいらない』(講談社現代新書 カラー版 税込987円)
  be連載の『デジカメのキモ』で扱った写真をすべてカラーで使い、「デジカメ界の間違った常識・思いこみ・誤解」に切り込む。楽しい写真を眺め、ぐいぐい読める読み物として楽しみながら、読了後にはデジカメ撮影の腕が劇的に上がっているという、一粒で三度おいしい本。
発売初日にたちまち重版決定!    Go!Go!(立ち読み版はこちら)

Amazonで購入はこちら    bk1で買うbk1で買う    クロネコブックサービスで買う    紀伊國屋WEBで買う



目次へガバサク談義トップへ  前に立ち読み版へ

comに代わる新世代ドメイン .COドメイン   ★タヌパック音楽館は、こちら
よい買い物は人生を変えることがある
★狛犬ネットは、こちら
  takuki.comのHOMEへ
(takuki.com のHOMEへ)


リンク